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2005年 09月 29日
八軒屋
 宇治川の流れは随分早くて水量も豊富だ。昨秋、静かな水に浮かぶ宇治平等院のゆったりとしたたたずまいを見学したあと、直ぐそばを流れるこの川を見たのだが、その意外な荒々しさ、その対照的な様相にびっくりしたものだ。 『 このぶんやったら、昼前に八軒屋に着くやろう 』 と船頭が胸を張って請合うのもうなずける。
 因みに、このブログのヘッダーの背景画像 (背景デザインは気分でころころ変えますのであしからず) は昨秋のその折に平等院の境内で撮ったものだ。また本文タイトルの背景の丸い瓦の方は三年前に撮った京都竜安寺の石庭を囲む土塀の瓦である。
 さて田沼一行を乗せた船が向かった八軒屋とは、当時は八軒屋浜とも呼ばれ、現在の天満橋から天神橋にかけてを言うらしいが、伏見、大坂間を結ぶ船の発着場として賑わったところである。また紀州熊野詣や四天王寺詣の際の上陸地であり、熊野街道の起点でもあった。
 この八軒屋浜の名を由来とし、かつて八軒屋の屋号で事業を興されたという、大阪コピーライターズクラブ会長でもある井上道三氏(72)が八軒屋南斎のペンネームでイラストやエッセイを発表されているユニークなホームページがある。何がユニークかと云えば字が縦書きなのである。もちろん氏のほのぼのとしたイラストと軽妙な文章が一番の魅力であるのだが。
URLは http://www.nansai.net/ である。
(第162話の感想)
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by kpage | 2005-09-29 11:28 | ■花はさくら木の感想 | Comments(0)
2005年 09月 26日
眼下の敵
 『天下取りの中心に、菊姫をすえるのや!』 、初めて北風本人の口から菊姫を奪った目的が語られた。しかしその理由は単なる野心とも思えない。それは以前にも少しふれたが(参照)、『生まれた土地を特定できない男』 と書かれてある通り、北風の出自にやはり秘密が隠されているような気がする。眼下の田沼一行が易々と閘門を通過していく腹立たしさを押しこらえ、際し当たる事態にも目もくれず、しかし視線はしっかりと一歩先を見通しているような不敵な様子の北風がそこにいた。
(第159話の感想)
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by kpage | 2005-09-26 10:02 | ■花はさくら木の感想 | Comments(0)
2005年 09月 24日
久しぶりの上京
a0006954_8374243.jpg昨日ある用事で久しぶりに上京した。とはいえ昼の12時に新幹線で東京駅に着いて、夜の10時40分には新宿から夜行バスで帰るという愛想のなさ。それでも空いた時間に東京ステーションギャラリーで加守田章二展(参照)を、六本木ヒルズでレオナルド・ダ・ヴィンチ展(参照)を観る機会も得られ大満足で帰阪した。
 写真は東京ステーションギャラリーの玄関を入って正面の受付だが、こじんまりとして仰々しくなく、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気がいい。展示室内にそのまま露出されている駅舎の赤レンガも、その補修の跡が更に歴史の重みを感じさせてくれるいい趣向だ。
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by kpage | 2005-09-24 13:00 | ■身近の話題 | Comments(0)
2005年 09月 18日
清明上河図
 いよいよ清明上河図がその姿を現した。皆がてんでに驚嘆の声をあげる。さて、これ(参照)を見るとそれが非常に緻密に描かれているのはよく分かるが、どう見ても私たちが思う写実とは違う。それは多分現場を見つつ写生したのではなく明らかにパターン化された描き方だ。しかし、これを見て主水に 『金雲たなびかせて端折ろうなんてことをしない。ぜ~んぶ描きつくす、そういう気概や』 と言わしめたほどの綿密さにはあきれるほどだ。前半分がない馬の、上半身、下半身しかない人物の全身が先ほどは見えていたような、そんな感覚に囚われた主水らである。まさに目に見えない幽霊が見えたような、目に見えないものが描いてあるように見えたような、決して現実を忠実に丸写しにした絵ではないが、背後に町の喧騒や個々の人の営みが見えてくる。見えないものが見えてくる。強引に前回の記事に則して云えば、それが作者の描きたかったことであり、それが写生であると云えようか。
(第151話の感想)
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by kpage | 2005-09-18 23:33 | ■花はさくら木の感想 | Comments(0)
2005年 09月 18日
そごう頑張れ
a0006954_8405132.jpgそごう心斎橋本店に行ってみた。心斎橋筋側の南玄関から入ったのだが、いきなり正面にグッチの大きなロゴが目に入り、他は何も目に入らない。一瞬これでいいのだろうかと少なからず疑問を抱いたが、他の2つの入口から入ればそれほどではないようで少し安心した。
 ただ感じるところ、プレステージブティックのフロアーと銘打つ1~2Fの売場に象徴されるように、ここは決してそごうではなく、高級ブランドショップの集合体であり、強いブランド指向を持つ層や富裕な団塊の世代狙いという戦略がどうしても露骨に見えてしまう。だがそれは百貨店のひとつの有り様を先鋭化した姿だろうし、隣接する大丸との差別化や時代の流れを考えると故なくもない。
 オープン間なしの今はレトロ感や大人の感性の訴求で60歳代以上の客層がそごうだけでなく界隈を賑わせているらしい。確かに11F、12Fにあるレトロ感溢れる在りし日の「心斎橋商店街」を模したフロアーは店揃えも確かでそれなりによく出来たテーマパークといえ、よく賑わっていた。地階の食品街はうっかり見ていないのだが、この表面的には庶民感覚の11~12Fと明らかな高級ブランド指向の1~10Fの対峙で、見た目なんとかバランスを保っているが、わざわざ出かけて行って10膳、税込み1050円也の竹箸だけを買って帰ってくる私のような客には全体的にどうしても上ずって見える。しかし、落ち着いた大人の町、心斎橋復権のため、やはりそごうにはこれからもうんと頑張って欲しいと思うのだ。
 写真は11F「心斎橋商店街」。しっかりした造作に好感が持てる。売場面積の制約からか狙ってか、狭い通路がムードをより濃厚なものにしている。
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by kpage | 2005-09-18 22:28 | ■身近の話題 | Comments(0)
2005年 09月 14日
写生
 見えないものを写すとは、幽霊のように見たことがないもの、現実に存在しないものの姿をあたかも見ているかのように描くことであるが、更に云えば現実に存在しようがしまいが、本当に写したいものは実はその描いたものの背後にある見えないものだ、という詭弁のようなものではないか。写生とはそういうことを積極的に意図するものだとすれば、写生は必ずしもいわゆる写実ではない。再登場の蕪村の句、 『 夏川を越すうれしさよ手に草履 』 の字面は決して写実的でもなんでもないが、何か生き生きとしたものが伝わって来る(記事参照)。文字通り、写生である。云うなればミロやピカソも絵画の世界の俳句みたいなものであろうか、全て合い通じるものがある。
 人間が頭でイメージしうるものは必ずこの世(地球上とは限らないが)のどこかに存在するものだとはよく云われることである。それは人間がそもそも創造主の自らに似せた創造物であるがための恩恵に発していることなのだろうか。更に言えば、人間にはまだ目には見えないものや状況をしっかりイメージし見据えることで、それらを現実のものとして獲得することが約束されているかのようだ。
 田沼は云う、『なるほど、胸のうちか。では、目にはみえないものも写すことができるわけだ』 と。今はまだ目には見えないが、田沼の胸のうちには鮮明にイメージされた野望の数々が現実のものとなるべくうごめいているに違いない。
(第147話の感想)
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by kpage | 2005-09-14 10:45 | ■花はさくら木の感想 | Comments(0)
2005年 09月 12日
いやいや、驚いた。
 自民党が単独で300議席をねらう勢いだ。自民優勢と言われてはいたがここまでの得票は一体何なのだろう。これでは国政の場で野党が野党として機能しないのではないか。形からいえばもう完全に自民の独裁といっていい。しかし、これがストレートに民意の反映であるのかは疑問だ。形の上で国民(有権者)の多くの信任を得た小泉さんは、これまで以上に国民の声に敏感になるであろうし(そうあって欲しい)、また多くの国民も信任した責任として小泉さんがとんでもない独善(参照)に陥らぬようしっかり見守る必要があるのは言うまでもない。
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by kpage | 2005-09-12 00:22 | ■思ったこと | Comments(0)
2005年 09月 10日
優勝祈願
a0006954_8462711.jpg  ひょっこり、こんなものが出て来た。買ったものやら、おまけだったのやら全く記憶にないが、コピーに当時の熱気を感じる。
 『2003年阪神タイガース優勝祈願特別セット 天下とったるで!』 
 今年も、本日阪神が勝ち、中日が負けると阪神にM15が点灯(あまりこの意味は分かってない)というところまで来たようだが、巷のムードはなんとなく冷静な感じがする。それは強いタイガースが定着しつつある証しなのか、ただ単に今は総選挙のごたごたに多くの耳目が集められているのも否めない。
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by kpage | 2005-09-10 10:50 | ■ほかのこと | Comments(0)
2005年 09月 06日
田沼冤罪
a0006954_8473647.jpg 本話で幕府内での田沼意次へ相対する勢力のねたみや不穏な空気の存在にはじめて触れている。十一代将軍家治が不審な死を遂げ、直後に田沼が老中職を免じられるのが1786年。それはまだこの話の舞台から25年後のことである。勝負はこれからと、今の田沼の鼻息は荒い。
 ところで先日、京都下鴨神社境内で催される古本市を覗きに行ったのだが、数十近い業者が集合するたいへんなものだった。到底すべてを見切れるものではないが随分楽しい時間を過ごせた。何冊か購入したが、その中の一冊が写真の本、100円也である。見つけた瞬間さすがに小躍りしてしまった。
 昭和46年9月初版。著者は在野の田沼ファンの研究家であるが、ストレートに 『田沼冤罪に情熱を燃や』 した内容になっている。田沼の失脚はクーデターとも言える政変であり、参考とすべき現存する資料は次代の都合のよいものばかりが主となっており、田沼について信頼すべき史料が少ないと云う。そのような中、著者はそれを求めて苦心探訪するのであるが、 『新史料と史料批判のうえにたって、従来の悪人田沼像を否定し、新たな田沼像を示す。そのとき、これまで悪人田沼の陰謀を軸に構成されてきたこの時代は、従来とは全く違った様相をおびてあらわれてくる。』 と監修者は述べている。
(第139話の感想)
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by kpage | 2005-09-06 11:38 | ■花はさくら木の感想 | Comments(0)
2005年 09月 02日
総選挙を控え思うこと
 今回の総選挙に絡み、巷では仁義なき戦いやら刺客やら物騒な言葉が随分飛び交った。今はもう言葉としては沈静気味の感があるが、そうやって政治を面白おかしく揶揄するのも政治により多くの人にとりあえず感心を持ってもらうには一策かもしれない。ただ、昨日のテレビニュースによると刺客という言葉の方は使うのを自粛して欲しいと政府与党からのお達しがあったそうで、別に強制力はないものだろうが、礼儀正しい日本のマスコミ各社の自己規制は当然予想されるところである。
 もう一方の仁義なき戦いだが、これはご存知のように郵政法案反対派VS刺客という構図が、亀井静香VS堀江貴文という顔合わせで、しかも広島6区という選挙区であることから象徴的に表現されたことだ。そして、考えてみると古来より、義理人情を尊び、そしてこれに苦悩すること自体を何か美学のごとく昇華してきた我々日本人にとっては、意外に共感を呼ぶ上手い表現だったのかもしれない。逆に言うと、反対派にすれば、そこまで義理人情を欠いた手を打ってくるとは想像さえしなかった、まさに、ごく日本人的感覚に安閑としていたと云えなくもない。しかし、もちろん世の中そんな日本人ばかりではない。
 少し話は変わるが、幕末に生まれ、明治、大正にかけ、キリスト者として反骨の信仰を貫いた内村鑑三をご存知の方もいると思う。その個人誌「聖書之研究」に彼はこんなことを書いている。
 「人生の問題を解決するにあたって、第一に考うべきは正義である。第二が道理である。第三すなわち最後が人情である。この順に従って解決せんか、万事は容易に解決せらる。義(ただ)しきか、義(ただ)しからざるか、もし義(ただ)しくば、骨肉、社会、国家がことごとく反対するも、これに従う・・」
 内村鑑三の正義とはもちろんキリスト者としての信仰に裏打ちされた正義であり、今回の総選挙のすったもんだや以下述べる例と同列に語ることは不適当である。しかし、良きも悪しきも世の中を大きく動かすのは大方、義理人情ではなくいわゆる正義ではないだろうか。また正義は理念と言ってもいいかも知れない。郵政改革が行革の本丸だと言う小泉さんも小泉さんなりの正義、理念に基づいて反対派への義理人情を退けた。しかし、問題はこの正義や理念で、往々にして独善に陥るのが常である。他国にまで身勝手な正義、理念を押し付ける小泉さんの盟友ブッシュ大統領の例をあげるまでもないことだが、正義や理念という言葉は人の心を高揚させ、人に力を与える。しかし、それは一歩間違えるととんでもないことになる。 
 これは少々極端な例だが、西尾幹二氏が著書「国民の歴史」の中で、ホロコーストと戦争犯罪に関してこう述べている。 「ヒトラーの大量殺戮はある種の文明の破壊であって、戦争犯罪ではない。普通に考えられる戦争犯罪の、いわば終わったところから始まっている犯罪で・・・・・軍事目的とは全く別個の目的を追求した政治的意思の表現であった」 と。そして、これを 「戦場の興奮に基づかない、理念に基づく殺人行為、大量殺戮行為」 とし、ほかに毛沢東、スターリン、ポル・ポトらの例を挙げている。
 今の日本でそこまで心配する必要はさらさらないが、義理人情、刺客騒動で国政に今まで以上に目が向いたこの機会に、この国がこれからどこを向いて、どんな風に動いて行けばいいのか、自分なりに考えながら来る投票日を迎えたい。
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by kpage | 2005-09-02 14:45 | ■思ったこと | Comments(0)


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