
一昨日書店であれこれ買う気もないのに見ていたら、とても面白い写真集を発見した。それは「small planet - 本城直季 写真集」リトルモア 2006-04-18出版という写真集だ。
この作品サイトを見てもらえれば何が面白いか直ぐに分かってもらえると思う。副題に「誰も知らない もう一つの地球」とあって興味を引いたのだが、ページをめくりながら私は、「なんて細かいところまで丁寧に作ったジオラマなんだ」と正直思った。しかも夜景に至っては建物一つ一つに明かりが灯っている・・!そして、私はこの辺りに来てやっと、「これはちょっとおかしいぞ」と思ったのだが、それには実は訳があった。
昨年9月、日帰りで東京へ行ったことがあり、空いた時間にお上りさんよろしく六本木ヒルズへ行ってみた。六本木ヒルズのどの建物の何階だったかは正確な記憶にないが、確か東京やニューヨークや上海?など大都会の航空写真を元にした精密で大規模なジオラマの展示があった。これがすごくユニークで、思わず携帯で一枚撮ってしまったのが上の写真だ(確か撮影禁止となっていたが思わず撮ってしまった、ごめんなさい)。これが、最初の1ページ目から頭にあってそのようなものだと思い込んでしまっていたのだ。
それにしてもこの写真は面白い。どう見てもミニチュアである。どうやってこれは撮っているのか調べたところ、
ティルトレンズというものを使っているようだ。それでこのレンズさえ手に入れば自分でもこんな写真が撮れるのだと思い、早速値段を調べたところでは安いところでも12~3万くらいするようで一気に熱が冷めてしまった。
遠景の極狭い一部分にピントを合わせた写真を見ると、何故だかよくは分からないが、知識として、経験としてミニチュアに見えてしまうのだというようなことを撮影した本城氏は巻末に書いておられる。確かに間近のものを見る時、通常意識はしていないが注意してみると前後にあるものはかなりボヤけている。遠くにあるものは、その一部に目を凝らしたところでその直ぐ前後にあるものがそれほどピントがボケているようではない。前後がボケるのは間近にあるもの、すなわちビルディングの形をしていようが小さいものなのだ、と。理屈はこういうことなのだろう。