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2007年 01月 11日
 朝日新聞朝刊の文化欄に『ものさし探し』というタイトルのコラムが連載されている。気付いたのは9日で、既に3回目を数えていて今日が5回目、残念ながら1回目、2回目のバックナンバーはもう探せなかった。
 
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3回目のテーマは『世論を測る』。ランキングや世論調査によって限られた選択枝から選ばせることで人々の意見が(意識的に?)誘導される危険をはらむとした上で、人々は単に多数にながされているのでなく、賛否の理由も実は人様々であって、人々は意外に何が公共に最善かを考えているとし、単純な賛否だけを問う十羽一絡げ式の世論調査などには苦言を呈している。掲載写真は「仏の海」(1995年京都・三十三間堂にて)「千手観音千体仏像 みな違うはみな同じか」の杉本氏のコメント。

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第4回のテーマは『時間を編集する』。杉本氏は『人の目は長時間露光のカメラだ』のようなことを言っている。我々の眼は生まれてから死ぬまでの気の遠くなるほどの時間に渡る映像を、連続的に記憶として取り込んでいるということだ。杉本氏は写真家だから長時間露光とわざわざ言うのだが、普通には映画やビデオと言った方が素直なだろう。ただ、生涯をかけてカメラのシャッターをずっと開けたままという感覚は写真に置き換えた方がなんとなくしっくり来る気がする。もっとも記憶の底からそれらを正確に取り出すのは至難の業だ。
 とにかく現代人は忙しい。溢れかえる情報はつまみ食いするしかない。やりたいことも沢山現れる。当然そういう社会を維持している仕事の量も増加の一歩だ。急がしくとも中身の濃い時間であればいいが、細切れの目次ばかりの内容のない時間を過ごすことになってはいないかと心配である。掲載写真は「U.A.プレイハウス、ニューヨーク」(1975年、映画一本分を長時間撮影)「『サタデー・ナイトフィーバー』上映中の劇場」杉本氏のコメント。

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第5回目のテーマは『タブーは揺れる』。写真はかつてのワールドトレードセンターである。併記された杉本氏のコメントは「一文明が危機に瀕する時、カミカゼ攻撃は起きる」。意味は少しは分からないとは言え、タブーと言えど時代とともに変遷する。この建物を崩落させ多大な犠牲者を出した同時多発テロ後、関連して首をかしげるタブーもいくつか生まれた。日本でも戦後の半世紀に渡ってタブーだった「愛国心」が、今や反対するのがタブーの様相であるし、このまま行くと「人権」がタブーになるかも知れないと論じられている。そういう意味で今は何がいいのか悪いのか対処しづらい本当に複雑な時代だと思う。掲載写真は「ワールドトレードセンター」(1997年)
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by kpage | 2007-01-11 14:02 | ■ほかのこと | Comments(2)
Commented by k_kasen at 2007-01-11 20:13 x
こちらは、久しぶりの投稿ですね。
又楽しみに読ませて頂きます。
Commented by K at 2007-01-11 23:06 x
k_kasenさん
そうなんですよ、ずっと休止で気にはしてるんですが。
朝日新聞の連載小説で「宿神」というのが始まったので、
また感想などと、少し機会をうかがっているようなところです。
写真掲載用ブログ開設しました >>


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