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そろそろ幕引きだろうか

そろそろ幕引きだろうか_a0006954_1633353.jpg この度の松下電器産業の06年3月期の利益見通しの大幅な上方修正は、新聞にも書いてあるように温風器事故という危機がかえってバネとなった結果といえる。儲ける商売ではなく、儲かる商売をせよ、とはよく言われることであるが、そういう見方をするならば、この上方修正は今回の危機が従業員の意識を目先の利益から一旦逸らせた結果だと言えなくもない。
 松下電器のホームページを見ると、従業員数が全連結対象企業で334,752名、松下電器産業単体でも47,867名というすごい数が載っている。これだけの人数の意識が変わり、パワーが集結するとすれば決してありえないことではない。営業利益の21.2%増、当期利益の18.2%増を支える売上の方は、もちろんデジタル家電の好調や大変な販売努力もあってだが実はやっと1.4%増に過ぎない。これらが今回の事故処理費用も含めての数字だとすれば、実際の業績はもっと良かった訳である。効率ということで言えばそれは従業員一人一人の草の根の並み並ならぬ苦労のなくては成り立たなかったことと言ってよいだろう。
 今日、「配達地域指定冊子小包」というものが届いた。各世帯宛てに届けられる郵便物だが宛名はない。表に「松下電器より心からのお願いです」とある。同様のものが日本中の全世帯へ配達されると聞く。おそらく最終的に費用が240億円程度見込こまれるという温風器事故処理も、この告知を以ってやっと幕引きかもしれない。
by kpage | 2006-02-03 16:33 | ■思ったこと