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奇遇にも

 皆さんはパソコンでの検索や、ニュースなどのあるポータルサイトは何を利用されているだろうか。私はものごとの検索はGoogle、ニュースや天気や地図などはMSN Japanを利用している。理由は特にない。最初にそうだったから、ということだろう。いずれにせよMSNなどは最新のニュースを知るのには最適だ。
 先ほどもMSN Japanのニュースを覗いたら「米記者原爆ルポ 60年の波紋」という記事が載っていた。それは、20日、21日に米ニューヨーク・タイムズ紙と英インディペンデント紙が、先日17日の毎日新聞朝刊が故ジョージ・ウェラー記者の原爆投下直後(翌月)の長崎ルポが60年ぶりに発見されたことを報道掲載したこと報じたものだった。
 タイムズ紙は「原爆が他の爆弾と違うという証拠は見つからない」と書いていたウェラー氏が、負傷者らの取材を進めるにつれ「特異で長期にわたる影響に気づくようになった」とし、「そのルポについて、放射線被ばくで死んでいく家族や知人を前にした生存者の悲しい混乱や、(原爆による)破壊を生々しく伝えている」と報じている。
 毎日新聞によれば、ウェーラー記者は長崎市の惨状や、放射線による原爆症に苦しむ市民の様子を克明に記したこのルポ原稿を、GHQの検閲担当部へ送ったのだが、結局新聞に掲載されなかった。この隠蔽がなければ、米世論に影響を及ぼしその後の核開発競争への警鐘と なった可能性がある、と締めくくっている。
 ただ、当時すでに旧ソ連との冷戦体制突入は時間の問題であって、軍事的には原爆投下は米国が旧ソ連にひとまず優位に立つ最高のカードであったようだ。それはつい最近出版された。「原爆を投下するまで、日本を降伏させるな」という衝撃的なタイトルの本から知った(ちょっと立ち読み)ことであるが、そういう意味ではこのルポの隠蔽が簡単に覆るものではなく、警鐘の可能性といった仮説は多分意味をなさないのではと思う。それほど悲しくなる現実があったということをこの本は説いている。
 今、私のパソコンの横にはその6月17日の毎日新聞の朝刊がある。1面に「原爆ルポ60年ぶり発見」の大見出しが踊っている。実は我が家は毎日新聞は購読してないのだが、なぜこれがあるのかといえば、その日毎日新聞の方が購読勧誘に来られて、私はお断りしたのだが、サンプルとして良かったら読んでみて欲しいと一部もらったものがあったのだ。その時はなんの気も留めずそのまま古新聞入れの中へ放り込んでいたのだが、MSNのニュースを見てハッと思い出し取り出してみたら、寄寓にもそれであった、という落ちである。
by kpage | 2005-06-21 23:10 | ■身近の話題