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新茶の頃

売茶翁が娘二人に点てたのは煎茶である。最初サーと読み通したときは点茶という言葉から抹茶をイメージしていた。『売茶翁はにこにこしながら煎茶の道具を毛氈しいた床几にひろげ、七輪の火を起こしはじめる。不夜庵は蛸の裾もようをひるがえして、滝の水を汲みにゆく・・・』とある。新聞紙面には南伸坊氏のおおらかな感じの翁が両天秤になにやら大きくは3つの道具を前に2つ、後ろに一つ担いでいる。推測するに、先ず七輪、炭、鉄瓶、水差し、急須、茶筒、茶碗、などなど、よく分からぬがこまごましたものが他のもいろいろあったに違いない。多分結構な重さであろう。絵では翁一人で軽々と担いでいるが・・・。
お茶の事をすこし調べてみたら、煎茶といえば日本茶である、みたいなものらしい。一応、4月下旬から5月上旬に摘み取った一番茶葉を蒸して揉んで芯や若干固い部分を除いたものらしい。桜の種類も現在とは違うし、茶の種類も当時とは違うかも知れない。この小説のころは桜と新茶の煎茶が共に存在の可能性があったのかどうか。単に娘二人が新茶を飲んでたとしたら桜の色と新茶の色と色の対比がイメージとして綺麗だなと思ったまでだが。
by kpage | 2005-05-18 23:19 | ■花はさくら木の感想